
心
血を送り出す 精神充実
味覚 睡眠
❜❜夏は心の気が活発になる❜❜
活発になりすぎるとイライラしやすくなったり
興奮しやすくなって気を消耗する。
心を養い気持ちを穏やかに過ごせるサポートをする。


気圧や気温、湿気が変化する季節の変わり目で
体のアンバランスが生じて体調を崩しやすい。
初夏から梅雨へ移り変わるこの時期は
特に「多湿(湿邪)」と「高温(暑邪)」に注意。
食べ物を消化・吸収して栄養・エネルギーを作り出し全身に送る役割である脾は湿邪に弱く、機能が落ちると食欲不振、消化不良だけでなくエネルギー生成不足により倦怠感や息切れ、食べ物から未消化物が生まれることで余分な水が溜まり体内にも「湿」が生まれる。
湿はジメジメして下に溜まる性質を持ち、夏バテと言われる体の重だるさ、疲労感や下半身のむくみなどと関係が深い。また、暑邪に影響を受けやすい臓腑は心。
暑邪は暑くて上に昇散し、気と津液を消耗する性質を持つ。
気が上に昇るのにつられて感情の起伏が激しくなってしまったり頭に血が上りやすい、興奮しやすい、眠りにつきにくいなどの不調に関係する。
【季節と臓器、さまざまな関係性】






















食養生
体の余分な熱を冷ます
❜❜清暑食材を食べる❜❜
夏野菜は体の熱を追い払い、体内を潤す。
果物は汗をかいて失ったミネラル・ビタミン補給にも良い。




❜❜心を養う苦味食材を食べる❜❜
夏は気持ちが高ぶったり、楽しくなって開放的になりやすいように
「気」も上に昇りやすく活発になり易い。
苦味をもつ食材は、心の気を鎮める働きがあるので、気の過剰な上昇を予防しイライラしたり興奮するのをを和らげて気の消耗を防ぐ。
春から体の中で増えていく陽気を夏の間にどれだけ蓄えられるかが
冬に自分で体を保温できるかに繋がると言われていて冬の冷え性改善にも繋がる。
苦味は、疲労回復・消化促進効果もあるので、夏バテの回復にも。
ゴーヤ 山菜 セロリ らっきょう ダークチョコ ブラックコーヒー
緑茶など




❜❜血脈を養う赤い食材を食べる❜❜
臓腑と体の器官との関係を示す「五体」では、心は血脈を主る。
夏の暑さや汗で気血の消耗も激しいので血を養う、補う食材を取り入れる。赤い食べ物は血を補うものが多い。
トマト 小豆 鶏レバー 赤身肉 クコの実 ビーツ 黒木耳 黒豆
黒糖 黒酢 など




❜❜除湿食材と健脾食材を食べる❜❜
ジメジメしてくる夏は、湿気の影響を受けて体内の水分調節も滞りやすく
下半身がむくんだり、ボーっとしやすい。
例えば冬瓜、緑豆、もやし、とうもろこしは水分の代謝を調えて肥満やむくみを改善する。食べ物を消化して気を作り出す脾は、湿気に弱い。
夏バテは、脾が湿気のせいで弱って食欲が湧かず気が生み出せないので元気が衰える。山芋、かぼちゃ、さつまいも、人参などの脾を補う食材はお腹をメンテナンスして夏バテの回復にも体内の余分な水分を捌くのにも効果的。
水に濡らすと粘る食べ物、小麦製品は体内で湿気を生みやすいので
食べ過ぎに注意する。






養生茶
少し不調を感じたときや栄養補給に
気温とともに湿度も高く、汗で体力を消耗し易い夏は
❜❜体の熱を冷ます❜❜
❜❜除湿❜❜
❜❜ビタミン・ミネラル補給❜❜
を体調に合わせて取り入れる。
暑い日の体温調節を助けるには緑茶、はと麦茶
体が重だるい、食欲がない、足がむくむなどの症状には湿を除くはと麦茶、トウモロコシのひげ茶、小豆茶、陳皮茶
汗を多くかいたときはビタミンミネラル補給に柿の葉茶、玫瑰花(薔薇の葉)茶、フルーツティーなどがおすすめ。
特に柿の葉に含まれるビタミンCは熱に強いうえにみかんの30倍
レモンの8倍ののビタミンCが含まれていてビタミン補給に最適。



体養生
❜❜身体を冷やしすぎず、陽気を守る❜❜
暑くなければいいので冷やす必要はない。
朝夜は肌寒いので上着を羽織ったり、特に腰・膝・足首を守る。
運動後に暑いからと冷水シャワーを浴びるとせっかく汗が出て体温調節をしているのに冷水により毛穴が急に閉じて逆に熱が発散できず身体に熱がこもるので注意。
❜❜遅寝早起きをする❜❜
自然の流れに沿って太陽が昇ったら起きて23時には寝る。
❜❜じんわり汗をかく程度の運動をして体の除湿をする❜❜
❜❜湿気が強くなるので部屋の換気をする❜❜
昼間は陽を入れて部屋の中を乾燥させる。

二十四節気の夏
二十四節気(にじゅうしせっき)とは、春夏秋冬の季節をそれぞれ6つに分けて季節の変化を24個に分けたもの
東洋医学では「冬病夏治(とうびょうかじ)=冬の病は夏に治す」という言葉があり、
冷え性の方や、冬に不調が出る方は夏に体をいたわることが大切とされている
立夏 5月5日〜19日頃
夏の始まりの時期

この頃から気温が上がり湿度も高くなって
カビは繁殖しやすく、生ものは腐りやすくなる
ことから中国ではヨモギや藿香を湯舟にいれ「未病を治す」風習がある。
(未病:発病には至っていないものの、
健康な状態から離れつつある状態)
ヨモギ
温経止痛・散寒止痛・除湿止痒作用
皮膚病の予防効果があり湿疹や汗疹の予防に使われる。
藿香
解熱、鎮吐、健胃作用
生薬として「香砂六君子湯」や冷たい物の摂り過ぎで弱った脾を補い夏風邪や夏バテに処方される「藿香正気散」などに配合されている。
小満 5月20日〜6月4日頃
❜❜体を冷やしすぎない❜❜
あらゆる生命が満ちていく頃。

急に気温が上がり始める頃
ここで体を冷やしてしまうと、夏にさまざまな体のトラブルを招いてしまうことも。
動植物の成長や活動が生気に満ちる時期であり、一年で最もエネルギーを必要とする季節。
たんぱく質、ビタミン、炭水化物など、栄養をまんべんなくとることが重要。
発汗量が増し、そのぶん血液の流れが滞り、心臓に負担がかかりやすくなるので、苦味の食べ物で体内の熱を冷ましたり血管を柔らかく保ち、きれいな血を心臓に送る働きのあるにんにくや青魚などの食材を取り入れる。
汗で失われるミネラルや、ビタミンが豊富な旬
の果物もおすすめ。
芒種 6月6日〜6月20日頃
❜❜食事から湿気対策を❜❜
湿気も高くなり日本列島は梅雨入りする頃

梅雨に入ると空気はしめじめし、
その湿気が体にも侵入しやすくなる。
体内に湿気が多くなると、頭や体が重く
感じたり、痰が増えたり、めまいになることも。
この時期はハトムギや瓜類など
水分代謝をよくするものを積極的にとり、湿気をためやすい粘り食材
(パン、麺など小麦製品やお餅など)
は控えると湿気対策につながる。
夏至 6月21日〜7月6日頃
❜❜一年で一番陽が極まる時❜❜
(太陽のパワーが強い時)

引き続き湿気対策、水分代謝に気をつけつつ、暑さで疲れをためないように、体力消耗をなるべく控え
しっかり休養を取ることが大切。
特に陽の極まる時間帯(午前10時〜午後2時)の昼寝や休養をとることがおすすめ。
小暑 7月7日〜7月22日頃
梅雨が明け、暑さが本格的になる頃

暑くなると体力消耗も激しくなり、夜も寝苦しく睡眠が浅くなることも。
身体に無理をさせず、休養をしっかりとる。
この時期には、心を穏やかに保つ瞑想を取り入れるのも効果的。
大暑 7月23日〜8月7日頃
溶ける暑さと急な豪雨など大気が
不安定な時期
夏の土用に重なるので
❜❜脾(胃腸)を養う❜❜

1番暑さが厳しいこの時期は、
「気」の消耗が激しくなったり
体の水分が不足しがちに。
体の余分な熱を冷ます夏野菜や
体を潤しビタミン・ミネラルを
含む果物、
脾を養って気を補う優しい甘みの野菜を取り入れるのがおすすめ。